notes

健康と病気、からだと心、治療と治癒について、読んだ本と考えたことの記録です。

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トアヴァルト・デトレフゼン、リューディガー・ダールケ『病気が教えてくれる、病気の治し方』柏書房,2004年.

症状はすべて、物質化した影である。つまり、意識のなかで体験したくないものを症状で体験するのである。症状は、体を経由して人間をふたたび完全にする。これは相互補完性の原則だ。意識のなかで特定の性質を拒むと、その性質は体におりて症状として出てくる。そのため、けっきょくその性質を体験して実現することになる。このようにして症状は人を健康にするのである。(p. 50)

このような感覚は、特に慢性的な症状を経験したことのある方には心当たりのあることと思います。

姿を変え、形を変え、どこまでも追いかけてくる症状。私はあるときそれに、ものすごく大きな愛を感じました。意識が現実逃避を何年、何十年と続けていても、体の症状だけは、私が私でいることを、完全性を追求することを、一度もあきらめていなかったんだな、と。心は弱くとも、体は強く、賢い。

治療の観点から言うなら、目に見える症状に向き合うことで、必ず目に見えない病にも触れることができる、ということですね。